愛猫の長寿の秘訣とは?長生きする猫の特長

2021/07/31(土) 猫と暮らす家

気ままに過ごしているようで、飼い主には深い愛情表現をする飼い猫ちゃんたち。ストレスやプレッシャーがあるときには、猫ちゃんの自由な振る舞いに癒されたりもします。混とんとする世の中では「猫ちゃん達の生き方に倣え」などと言われるくらいですよね。

 この子と長く暮らしたいと願うのは、愛猫家の皆さんが思うこと。だからこそ、猫ちゃんと飼い主の双方が長生きする秘訣を紹介したいと思います。どのような生活習慣が長寿の猫の特長なのか、一つひとつ見ていきましょう。すでにご存じだった方は、再確認ください。

1. 猫ちゃんの食事について

ご存じ見事な狩猟方法で、小動物・両生類・爬虫類・魚類などを食べていました。ですから、犬よりも多くのたんぱく質を体が必要とします。有名な話ですが、猫ちゃんにはドックフードが向かないが、犬にキャットフードは大丈夫と言いますよね。ですから猫ちゃんのご飯は、キャットフードかたんぱく質多めの手作りご飯(要専門家監修)をお勧めします。

 猫ちゃんは、幼いころからの食事(キャットフードの銘柄)を年配になっても好む傾向があります。つまり、最初が肝心です。オーガニック食の希望がある場合は、最初から与えることが成功のコツです。手作り食派の飼い主様も、外出時のためにたまにキャットフードを与えていると、いざ外出するときに猫ちゃんが食べてくれないというケースが減るでしょう。

市販ペットフードの分類は4つ

〇ドライタイプ

水分量  :通常10%以下 

メリット :軽くて持ち運びに便利/大量に購入可/種類が豊富

デメリット:嗜好性(食いつき)が低い場合があるため、商品によっては嗜好性を上げる目的で香りのする油脂や香料などを使っています。しかし油脂は酸化する為、消費期限の気づかいが必要です。また、のどが渇きやすいので新鮮な水を常に用意することが重要となります。ぬるま湯に浸して与える方法もあります。なるべく人間が安心して食べられる食材を使ったペットフードをお勧めします。

 

〇ウエットタイプ

水分量  :75%程度(代表的なもの:缶詰・レトルト・アルミトレー)

メリット :嗜好性(食いつき)がとても良い製品が多く、特に缶詰は保存が利くので非常食にもなるのが最大の魅力です。最近は商品名「チュール」など、抜群に嗜好性が良い商品も出ています。この嗜好性を利用してドライフードにかけて食べさせる工夫もあるようです。

デメリット:重い/価格的に割高という点

 

〇ソフトドライタイプ

水分量  :25~35%(加熱発砲処理済み)

メリット :手軽に嗜好性(食いつき)の高いフードが与えられます。

デメリット:しっとりさせるために湿潤調整剤や防腐剤などの添加物が多く含まれるものがあります。

 

〇セミドライタイプ

水分量  :25~35%(押し出し機などで製造され、発砲していない)

メリット :手軽に嗜好性(食いつき)の高いフードが与えられます。

デメリット:しっとりさせるために湿潤調整剤や防腐剤などの添加物が多く含まれるものがあります。 

出来る限り、ヒューマングレードの食材を使った合成添加物の少ないフードを選ぶことが長寿の秘訣です。

 

2. ペットと危険物

猫ちゃんにとって、人間の当たり前のような生活の一部が生命の危機に繋がることがよくあります。当たり前のように思えるかもしれませんが、今一度、猫ちゃんにとって危険なものを正確に把握し、健康で長生きしてもらいましょう。

 

絶対与えてはいけないもの

 

犬・猫

食べ物

症状

  

玉ねぎ・ネギ類・ニラ  

溶血性貧血

  

チョコレート・ココア  

けいれん・興奮

  

鶏の骨     

口の中、胃腸を傷つける

  

生魚  

ビタミンB1不足・食中毒

 

ブドウ・干しブドウ 

急性腎不全

 

キシリトール 

低血糖・肝障害

  

アルコール  

人よりも少量で中毒になる

       

 

 

与えるのに注意が必要なもの

 

犬・猫

食べ物

症状

  

牛乳      

消化不良・下痢

  

生肉   

食中毒

  

レバー

食欲不振・関節炎

  

食塩   

心臓や腎臓に負担・高血圧

  

煮干し・海苔・ミネラルウォーター

   

ミネラル過多・

尿結石の子には与えないで!!

       

 

誤飲誤食 要注意の危険物

  

洗剤・香りの強い柔軟剤の揮発成分・消臭剤・漂白剤・クレゾール石鹸

     

中毒

 

犬・猫

もの

症状

  

タバコ・ニコチンガム

            

興奮・よだれ・幻覚・震え

  

人用の医薬品 

アスピリン・アセトアミノフェン

     

人用のサプリメント αリボ酸など

肝毒性

     

防虫剤(衣類):ショウノウ・ナフタレン・パラジクロルベンゼン 

中毒

  

化学薬品:合成肥料・合成防虫剤・

殺虫剤  

    

中毒

       

 

 

有害植物

 

犬・猫

食べ物

症状

  

有害植物 

チューリップなどの球根、アザレア、アジサイ、スズラン、桃の種、
ポインセチア、ナス科植物の葉や茎、キョウチクトウ、ツツジ、クリスマスローズ

       

 

 

エッセンシャルオイル

 

犬・猫

食べ物

症状

  

エッセンシャルオイル
(
ティートゥリーオイルなど

粘膜の炎症、神経症状、めまい、よだれ、下痢、食欲不振など

 

       

 

 3. 外に出さない飼い方の徹底

街では交通事故・お庭の消毒・除草剤・護岸整備された河川に転落といった危険が存在します。農村地帯では農薬・化学肥料・除草剤・爬虫類・両生類を食べるといった危険がいっぱいです。

 また、猫同士のけんかに巻き込まれて、傷から不治の病に侵されるリスクもあります。

そして、飼い猫でも狩猟本能が出てしまい外に出ると、食べたくないのについ狩りをして、獲物を飼い主様に見せに来る事件が発生します。飼い主様の精神衛生のため、猫ちゃんの寄生虫や感染病予防のためにも、お外に自由に出る習慣は幼いころから控えましょう。

2020年の調べでは、外に出ない猫ちゃんの平均寿命は16.13歳に対し、外に出る猫ちゃんの平均寿命は13.57歳と、外に出る飼い方の方が短くなってしまいます。つまり、外に出さない飼い方が長寿の王道というわけです。

 

・去勢や避妊

猫ちゃんの野生での立場は弱者です。そのため、未熟なまま出産する猫は多産な傾向にあり、年に1~3回、3~5匹出産します。発情するとオスもメスも独特な声を真夜中に出すので、繁殖希望がない場合には去勢・避妊手術を受けることをお勧めします。特にオスの場合は、縄張り意識のためにおしっこを部屋や飼い主にスプレーする問題行動がありますので、生後六か月前後に去勢するほうが良いとされています。

 去勢・避妊は、猫ちゃんにとって繁殖ストレスがなく・生殖器関連の病気がなくなり・繁殖期による怪我や感染症もなくなるのがメリットですが、デメリットは肥満になりやすい事です。

 ・予防接種とノミダニ除け

猫ちゃんは、身体の不調を隠す傾向が強いので「飼い主様が気が付いた時は重症だった」という事が多く、予防が大切です。そして、外の猫と交流することで猫特有の不治の病が感染してしまったり、猫にもフィラリアがあります。また人と共通の感染病がありますので、獣医に相談して積極的に予防接種を受ける事と、外には出さないようにしましょう。

人と動物の共通感染症に関するガイドライン 平成19年 環境省

4. ここ10年で浮上した猫ちゃんの問題

上記の表で示した通り、猫ちゃんは犬より化学物質に弱いことが解ります。昭和の時代は、外と家を自由に行き来する猫ちゃんの飼い方が主流でした。そのため、ネズミ駆除用の団子を誤飲したり、使用禁止の有機リン系農薬などに曝露して亡くなる猫ちゃんも少なくありませんでした。

 また、ここ20年間で家で飼育する猫ちゃんが室内の空気環境が原因で体調を崩すケースが増えました。ちょうど、シックハウス症候群がヒトの間で増えた時期と重なります。そして、2009年から洗濯柔軟剤の香りがブームとなり、その影響で猫ちゃんも調子を崩すことが増えました。このことに関して、各地で獣医さんが警鐘を鳴らしています。

 猫が室内空気環境で不健康になる理由

・猫の肝臓の解毒能力は、他の動物よりもかなり劣る

・猫の皮膚はヒトや犬よりもずっと薄く、揮発性薬物を皮膚から吸収しやすい

・猫の皮膚や被毛に付着した化学物質は、グルーミングで舐めとり口から吸収してしまう

・猫の赤血球も毒物で酸化されて壊れやすい(溶血しやすい)

 

 

 解りにくい猫のシックハウス

 人間のシックハウス症候群は一時期話題になりましたが、実はペットにも同様の健康被害が報告されています。

 猫のシックハウス症候群の症状の一例

・原因もなくイライラして、外へ逃げようとする。
・疲れやすく、以前より寝ることが多い。
・鼻水がでたり、視線が定まらない。
・赤みが出たり、かゆがる。などなど

 症状の割に血液検査をしても異常がない場合が多いのが厄介です。
何が原因かが判断しにくく対処が遅くなる症例が多いので、飼い主は注意しなければなりません。
家のリフォーム、新築住宅に建て替えや購入を機に、症状が出始めたのでしたら、猫ちゃんのシックハウス症候群を疑ってみてください。

 

猫の為の4つの室内空気環境づくり 

  1. 換気
    外の空気環境が安全なら、換気を心掛けましょう。 
  1. 気密度を上げる
    密集地の街中や工業地帯・慣行栽培の田畑・慣行栽培果樹園の近くでしたら家の気密度を上げて、化学肥料や農薬散布・工場排煙・近隣の喫煙のない方角の風を入れましょう。 
  1. 室内に自然素材をつかう
    気密度を上げる際には、室内の揮発性化学物質を少なくしなければなりません。そのためには、安全な建材を選ぶことが大切です。 
  1. 室内に人工化学物質を極力入れない
    ・家具や家電は現在、シックハウス法対象外のため、揮発性化学物質の規制がなくシックハウス症候群を誘発すると注意喚起されています。
    ・芳香剤・消臭剤・防虫剤などの商品も、猫ちゃんの身体に響いてしまいます。
    ・香水や整髪料・香りの強い柔軟剤・香りが続く柔軟剤などは極力控えましょう。

 

猫ちゃんをいたわる気持ちで生活改善することが、飼い主様の生活環境を変えることにもつながり、最終的には猫ちゃんと飼い主様が奇病疫病に苛まれない「健康」かつ「長寿」につながるのです。

 自然素材建材を使用し、気密性が高く、災害に強い「モミの木の家」では、猫ちゃんが20歳越えの長寿となった報告が多数あります。愛する猫ちゃんと、「モミの木の家」でゆったりと長い時間を幸せに過ごしましょう。

  

モミの木の家で地元獣医院の最年長記録を更新している八王子市Sさんのアリスちゃん21.5歳

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【ペットと住環境】ペットの健康を護るために注意すべきポイント4点

 気が付きにくい「猫のシックハウス症候群」にご注意

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