”それがどおした。ええではねえが。”

2017/08/28(月) 設計

山田洋二 監督作品 ”息子”                         今年の夏は意気地なく早々に終わりそうな気配で、比較的過ごし易い日が続いています。”夏、労働、 下町、汗”といえば 日本人の勤労精神の美徳を象徴するキーワードです。夏の暑い時期に思い出してしまう映画に ”山田洋二”監督の ”息子”があります。1991年 椎名誠 原作 の邦画で、永瀬正敏、 和久井映見、三国連太郎 が出演しています。岩手出身で東京に出て働く若者を永瀬正敏が演じ、田舎にいてその息子を心配に思う父親が三国連太郎が演じています。東京に出てきて、居酒屋などでバイト暮らしをしている主人公が、何の気なしで下町の鉄工所にバイトで行くのですが、そこは3K(キツイ、汚い、危険)の職場ですぐ辞めてしまいそうになるのですが、配送先の薄暗い倉庫にいた女性に一目惚れしてしまい、その彼女に告白することを目的に仕事を続けていくうちに、労働の意義や労働の美徳に気づいていくというストーリーです。恋してしまうその彼女は”ろうあ” の人で諦めた方が良いのではないかと周りから云われてしまう。そこでの主人公のセリフがブログのタイトルとした ”それがどおした。ええではねえが。”です。岩手なまりのこのセリフが私が私にはとても新鮮で、自分の行動や感じていることを否定された時などにこのセリフを思い出します。周囲が冷ややかな時などはいつもこの言葉を思い出して自分を励ましています。岩手の厳しい冬の場面もあるのですが、私には夏の汗を感じる温かい映画と感じています。そしておそらくですが、父役の三国連太郎が唄っている”お富さん”は、山田洋二監督のアドリブのオーダーだと思っているのですが聞き逃せません。和久井映見も初々しくてとてもかわいらしいですよ。

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