仕組債って危険なの!?

2023/07/23(日) 資産運用

仕組債と聞くと、少し前にホットな話題となったのが、金融庁から千葉銀行・武蔵野銀行・ちばぎん証券に業務改善命令が出たというニュースはご存じですよね。

仕組債は、一時期、証券会社や傘下に証券会社を保有している銀行であればどこでも推奨していた商品です。昨年3月時点では77行が取扱いしていました。今回、業務改善命令が出された上記金融機関は、顧客からの苦情の件数が突出していたことからこのような状況になりましたが、他の金融機関においても苦情の件数はある程度発生しています。

それでは、ひとつ気になった記事があるので紹介します。

地方銀行‟仕組債販売”、その「危なすぎる手口」が判明!ローカル・エリートがいまだ取りつかれる「モーレツ営業」のヤバすぎる実態

https://news.yahoo.co.jp/articles/5ada058af6713dc527900ad4d3c374114bf9aa6d?page=1

それは本当の地方だろうとか他にも少し間違っていることもありますが、大半の内容が合っています。銀行が手数料を稼ぐために販売している実態があった訳なのですが、これは他の金融機関においても少なからず同じことが言えると思っています。

 

では、この仕組債ですがどのような商品なのか。リンク債やEB債といったものの総称になりますが、

例えば、ある上場株式銘柄を対象としているものであれば、判定日が月に1回ないしは3か月に1回あるのですが、スタート時点の株価の50%まで下がらなければ元本は保証され、金利が10%もらえますとか、よくあったのは、株価が70%までいかなれば金利20%、50%~70%の場合は金利1%、ここまでは元本保証というもの。そして、スタート時点の株価を5%(10%や同額のケースあり)上回ると自動償還(元本がそのまま返還)されます。

為替対象のものもあり、購入時の為替から50%円高にならなければ元本保証で高金利が付くものなんかもありました。

では何が問題となったのか。50%までの下落は元本保証だったのでいいのですが、50%を下回ったら(ノックインといいます)、その対象銘柄の株価連動となり、満期時には株式で償還されてしまうのです。為替対象の場合は、満期時その時の為替レートで円転されて戻ります。半分まで株価が下がった銘柄が元の株価まで戻るのは大変なことです。

仕組債の魅力的なところは、10%を超える高金利がもらえること。ということは、リスクの高い銘柄に投資をするので、金利が高ければ高いだけノックインする可能性が高い(超ハイリスク)ということ。(金融機関にとっては、高い手数料が稼げます)

逆に、日経平均EB債のように日経平均株価が50%にならなければ元本保証しますというローリスク商品もあります。1年前の株式市場を考えたらまず半分になることはありえないことだったので金利は2.03%。リスクが低いため金利も低くなります。

当時は、金利10%なんて当たり前で、20%付くものありました。購入する側ももっと金利が高い物持ってきてよと煽るケースも多々あり、各金融機関は少しでも金利が高い物をとリスク度外視で作っていたのも知っています。

実際私のところにも、仕組債買って下さい。お願いしますと来る行員がいましたし、金利29%ものできましたと説明されたこともありました。それを見てこれさー絶対ノックインするじゃん、もっと考えろよと突き返したこともありました。

私は、この仕組債6本保有していましたが、金融機関からこんなの出ましたがと言われても見向きもせず、逆にこの銘柄でこのくらいのレートで作ってとお願いをしておき、出来ると連絡があってという流れなので全て納得の上購入していました。金利は、ボラティリティで決まるので、株価が急落しているときにボラティリティが上がるため、その時に組成してもらうのが一番。金利も高く、株価も低くてもってこいの時期です。ただ、3000万円以上資金がないと組成できないため、500万円1口として最低6口の他の出資者を探してもらったり、1000万円1口だったりと、口数は取扱証券会社によっても違います。

ちょっと話は戻りますが、苦情件数が多かったちばぎん証券は1口3000万円からだったため、損失の額も多額になってしまっていたというもの悪い部分ではないでしょうか。(300万円や1000万円の商品も有り)

そして、大半の金融機関で組み入れしていた銘柄がテスラです。テスラ単独で金利20%・株価50%まで元本保証。テスラ株ですが今はだいぶ戻ってきていますが、仕組債が活況だったときから比較すると40%割れまで行き、ほぼ全ての人がノックインとなり苦情発生というのが現状です。

これはテスラ株のチャートですが、2022年8月25日に1:3の分割をしているので分割後の株価に直したチャートになります。見ての通り2021年後半から2022年前半に組成されていたのが多かったため、その時購入した方は、2023年1月には1/3くらいになっています。満期までに購入価格まで戻ればいいのですが、戻らない場合は株式で戻ってきます。

実際に私が保有していたのは、

ちばぎん証券でトルコリラリンク債。これは唯一大損をしてしまったもの。300万円と低額で購入出来、金利11%だったことから自ら購入。この時はまさか半分までいくとは夢にも思っていなかった。5年満期の商品でしたが、最初の2年くらいは11%の金利を3か月に1回受け取っていたのですが、エルドアン大統領のクソ政策で大暴落したトルコリラは1/4までリラ安が進み今月満期だったのですが、戻ってきた元本金額は74万円。5年間で受け取った利息46万円と併せても180万円の損失。これは、いい社会勉強料でしたね。結構笑えます(1リラ24円の時に購入して5.8円で償還でした)。普通の人ならこれだけでも苦情になりますね。

トルコリラチャート

横浜銀行傘下の浜銀TT証券では、日本株式中心で日経平均EB債とイビデンの仕組債を付き合いで購入。

日経平均EB債は、2021年12月20日の日経平均株価が基準で、3か月毎の基準日に85%以上で金利2.03%、それ以下で0.1%、50%でノックイン、110%でノックアウト(自動償還)という内容でした。今、日経平均上がっていますよね。今月ノックアウト(償還)しました。まだ若手の行員から700万円のノルマがあってまだ誰からも買ってもらえていないので、どうしても買ってほしいと言われたので損することは絶対ないので購入してあげました。約1年半2.03%の金利を3か月に1回もらっていましたがつまらない商品でしたね。(利息の合計は税引後で12万円くらいかな。お付き合いなので仕方ない)

イビデンは、2022年4月4日5160円の株価でスタート。3か月毎の基準日に80%(4130円)以上であれば、金利12.05%、それ以下だと0.5%、ノックイン55%(2838円)、ノックアウト105%(5420円)という商品でした。1回0.5%の時がありましたが、それ以外は12.05%の金利がもらえ税引後約97万円の利息をゲットしました。これも株価があがったので今月ノックアウト(償還)となりました。

 

三田証券では、アメリカ株式中心で3本購入。

1本目は、テスラとアップルの2銘柄の仕組債。金利を取りに行くためのテスラ(リスク高)と絶対安心銘柄のアップル(リスク低)の組み合わせで金利は15%(判定時50%までは15%)。2022年2月にテスラ861.82ドル(分割前)・アップル167.34ドルでスタート。ノックインは50%のテスラ430.91ドル・アップル83.67ドル。毎月判定にして、ノックアウトは105%で設定。本当はもう少し金利が取れたのですが、通常は、両方の銘柄が一緒に105%にならないとノックアウトしないのですが、ステラが怖かったので、金利を下げて片方でも105%になればそれはずっと有効で、その後どうなっても、もう片方が遅れて105%になったらノックアウトするというものにしました。実はこれが大当たり。テスラはすぐに105%をつけてくれて、あとはアップルが105%になったら償還という状況がすぐにつくれ、その後ご存じの通りテスラ株大暴落。テスラノックイン(50%割れ)という状況になりましたが、最近のアメリカ株式上昇を受けアップルが105%達成し、先月ノックアウトしました。1回だけ50%を下回ったので金利1%のときがありましたが、それ以外は15%もらえていたので1年半で税引後約70万円の利息をゲットしました。

 

2本目は、ズームとアルファベットの2銘柄の仕組債。これは、1年満期にして株価関係なく金利10.2%出る設定にしてもらい、ノックイン50%・ノックアウト103%設定。ノックインもノックアウトもしなかったので1年で満期償還。税引後約41万円の利息をゲットしました。これは、期間が1年と短く金利はどうなろうと必ずもらえる設定にしたので10.2%と低くなってしまいましたが、リスクとのバランスを考えると良い商品でした。

3本目は、1本目と同じテスラとアップルの仕組債。テスラ株が一気に下がった時期があり、これなら金利が取れると2022年5月26日に組成してもらいました(先程のテスラのグラフを見るとちょうど下がったところになります)。テスラ661ドル(分割前のためグラフだと220.3ドル)・アップル137.4ドルでスタート。これは、金利を取りに行ったので、ノックアウトは2銘柄同時に103%を超えないといけないものにして金利17.4%でした。残念なことに、見事に安い時仕込んだため、3か月で103%達成(9月には900ドルまで上昇、グラフでは300ドル)してしまい、17万円程度しか利息はもらえませんでした。でも、今考えたらノックアウトしてくれて良かった。

5本合計237万円の利息をゲットしたことから、見事にちばぎん証券で出した損失を取り戻していることになりますが、何が言いたいのかというと、しっかり考えてやればこんないい商品はないということです。現在仕組債はほぼ全ての証券会社で販売停止となっています。復活させようかという話がちらほら出てきた矢先に仕組債で業務改善命令が出てしまったことから、復活の話はなくなってしまいました。個人的には、早く復活してもらいたいものです。

 

とても言葉が悪いのを承知で言いますが、たしかに大した説明もせずに仕組債を売って手数料を稼いでいた金融機関が一番悪いです。悪の根源は銀行です。しかし、全く分からないもの・不安が少しあるけれど金融機関が言っているものだからと購入してしまった方にも多少の非はあると思います。分からないものは買わない、不安があれば誰かに相談する。銀行だから大丈夫という考え方は間違っています。

私からすると金融機関の人間ほど信用してはいけない人はいません。中には、本当に顧客のことを思って行動している人もいます。でも大半の人は手数料稼ぎの為、上から言われているので仕方なく等、顧客のことなど全く考えていない人がほとんどだと思っていて下さい。転勤しちゃえばもう関係ない。こんな考えの人がほとんどです(一部のお客様のためにしっかり活動している方ごめんなさい)。

私は以前、このような悪い行員にはなってほしくないと人材育成してきました。しかし、上層部の考え方、いや人間そのものが変わらない限り無理です。今回、業務改善命令が出ましたが、役員は知らなかったと金融庁に報告しています。指示をしていた役員は責任を負わずに逃げて現場に責任転嫁。仮にもし本当に知らなかったとしたら、それはそれでこの銀行ヤバいんじゃないのということになりませんか。

今回は、千葉銀行・武蔵野銀行・ちばぎん証券がやり玉に挙がってしまいましたが、表に出ていないだけでもっと酷いことをやっている金融機関はあります。だからもう一度言います。金融機関の人間は信用しちゃダメです。

 

 

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