自然素材と健康住宅の話
無垢の素材はお手入れが面倒?
心と体にやさしい家に住みたい
出来るだけ自然素材を活用したい
「健康に暮らしたい」というのは多くの人に共通した願い。できるだけ自然のもので、体にやさしい素材を使った住宅に住みたいと、誰もが考えているはずです。けれど氾濫する情報の中で、いったい何が体に良くて、何が良くないのかという判断基準がよくわからなくなっているというのも、また事実ではないでしょうか。そこでこのページでは、良い自然素材の見分け方、コストを考えつつ体にやさしい家を建てる方法、シックハウス症候群、化学物質過敏症が起きる原因などについて、あらためて考えていきたいと思います。
自然素材の家に住む必要性
良質な空気環境
私たちは毎日3~5Kgの食事や水を取り入れているのに対し、15~20Kgもの空気を肺と皮膚から取り入れています。健康を考えた場合、食事や水も当然重要ですが、空気環境が大きな影響力をもっていることは言うまでもありません。
この2つを満たすものとして、サン勇建設では自然素材を使った健康住宅をおすすめしています。
五感を取り戻す
もともと私たちには、自分を守るため、生き抜くために備わった五感の様々な機能があります。しかし、人工的に造られた便利なものに日常的に接し続け、その五感は昔の人に比べればかなり鈍ってきているようです。とは言っても社会を変えるわけにはいきません。しかし、住宅であれば自分の希望に極力近い環境をつくり出すことは可能です。唯一自分の思い通りに環境を整えることのできる住宅を健康住宅にして、少しでも危険の少ない安全地帯にシフトしてみませんか?
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素足の文化
西洋では家の中でも靴をはいて生活しています。対して日本では室内では靴を脱ぎます。そうなると家の床材に適する素材も、西洋と日本ではまったく違う素材になってきます。西洋では堅くて重い広葉樹、日本では柔らかくて軽い針葉樹がよく使われます。
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大昔から日本人の生活スタイルであった素足の文化。その文化に最もマッチしているのは自然素材を使った畳であり、柔らかくて温もりのある針葉樹の床です。その心地良さは私たちの五感に染みついており、他の物では代用できないほど。そういう意味で、自然素材は私たちにもっとも身近で、日本人の心身にマッチした素材と言えるでしょう。
自然素材でも内装建材に向かないもの
1 木材
木によっては、木の香り成分(フィトンチッド)が強すぎる樹種があります。たとえば、ヒバ材。水にも強くシロアリにも強いことから土台や柱に使われますが、ヒノキチオールという成分がきつく感じる人があります。または、一時的にはOKでも、日常となると支障がある場合があります。
このように、樹種によって住めなくなってしまうほどの反応が出る場合があるので、注意が必要です。 建材樹種の中でもアレルゲンが少なく、フィトンチッドが多いフォレストキング(もみの木建材)がお勧めです。 また、反応が出ないはずの樹種でも、流通経路で化学物質により暴露している場合もありますので、五感で見極める必要があります。 |
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2 壁・天井
自然素材の塗り壁の代表格と言えば、≪珪藻土≫や≪漆喰≫ですね。これを謳うメーカーの中には、バインダー(つなぎ材)により体に反応が出てしまうものが含まれているものもあります。かといって≪どろ壁≫≪本漆喰≫のように、工期や費用がかさんでしまうものは、難しい場面もありますよね。 完成してしまってから、住めなくなってしまった例がありますので、これぞと思った素材の展示空間に長居されることをお勧めいたします。 壁・天井面積は、外壁の次に広い面積ですので、費用対効果をよく考える必要があります。 |
壁・天井面積は、外壁の次に広い面積ですので、よく費用対効果を考える必要があります。 |
3 自然素材系塗料・ワックス
「自然素材・無垢フローリングといっても、ウレタン塗料が塗られていては意味がない。」皆さんはこのことをご存知でしょうか?無垢素材の『反り』や『傷』の問題を解消するために、始めからウレタン塗料で仕上げている無垢材があります。ウレタン塗装してしまうと、せっかくの調湿力や蓄熱性・癒し効果を完全に損なってしまいます。
汚れが気になる方には、自然健康ワックスがあります。米ぬか油・蜜蝋・えごま油・ひまわり油などが原材料の、安心できるワックスが開発されています。ここでの注意は、亜麻仁油・ラベンダー油・オレンジなどの原材料のワックスはアレルギーや喘息を引き起こす方が多いので、控えることが大切です。特にラベンダーでは、妊婦さんに注意が必要と言われています。色のバリエーションも楽しめる、安全な塗料もあります。 しかし、本来、無垢材の持っている調湿力や蓄熱性、癒し効果ともいえるフィトンチッドを生かす方法は、何と言っても素地で(塗料を使わずワックスも使わないで)住まうことです。 フォレストキング(もみの木建材)は、大方の生活の汚れは掃除機や水拭き掃除で綺麗になりますので、効能を受けながら気持ちよく素地を楽しんでいただく事ができ、お勧めです。 |
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シックハウス症候群と化学物質過敏症の違い
シックハウス症候群と化学物質過敏症の症状は、似ているところが多くあります。化学物質過敏症になった場合には、シックハウス症候群と同じような対策を取ることになることになりますが、この2つの病気の違いは、シックハウス症候群は、1種類の化学物質に汚染されている屋内(新築の家)に入った場合に症状が現れるのに対して、化学物質過敏症では、ごく少量のさまざまな化学物質で症状が現れるので、どんな場所でも発症してしまうというところにあります。
しかし、この二つの病気は切り離せない関連性があります。なぜなら、シックハウス症候群という症状は、化学物質過敏症の初期の段階といえるからです。シックハウス症候群の症状が進むにつれて、化学物質過敏症になる傾向が強いのです。シックハウス症候群の段階で何らかの予防策や対策を行い、症状の進行を食い止め、改善することが重要となります。
住宅の空気環境
まずは下の図をご覧ください。ごく一般に流通している材料で家を建てた場合に、そこに含まれる化学物質をイラストで表したものです。
非常に多くの化学物質が家の中にあることは一目瞭然です。これらは合板やビニールクロス、石膏ボードといった、新建材の普及に伴ってどんどん増えていったものです。天然の木材のように曲がったり反ったりしない上、品質も安定し、安く供給できるという利点はあるのですが、シックハウス症候群や化学物質過敏症を引き起こす危険性を、非常に多くはらんでいます。 それらの新建材に比べ、昔から家の建築資材として使われてきた木、石、紙、土などは自然界にあるものですから空気を汚すことがありません。これらの素材は、人とともに呼吸している、いわば生き物であり、その天然由来の働きが独特の風合いと、とても快適な住み心地を生み出してくれます。 人間が生命を維持するための3要素は「水」「食べ物」そして「空気」です。 その空気にとって重要な役割を果たしているのが、家を構成している素材。生命を守る、健康を維持するという観点からも、住まいづくりの材料には出来る限り自然素材を活用していきたいものです。 |
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塗壁について
自然素材として人気がある珪藻土。太古のプランクトンの遺骸が堆積したもので、表面に無数の孔が空いているため、吸放湿効果が非常に高いことが人気の理由です。 ただし、一つ覚えておいていただきたいのは、珪藻土のメーカーがたくさんある事です。そして、珪藻土のままでは固まらないため、建材として流通している珪藻土には接着剤が使用されているということ。ほとんどの珪藻土建材に接着剤として合成樹脂が使われています。合成樹脂には吸放湿機能が全くないため、合成樹脂を加えることは珪藻土の吸放湿性質を阻害します。つまり、せっかくの珪藻土の長所を、接着剤が失わせていることになるわけです。 その上厄介なことに、珪藻土と合成樹脂の比率は明確にされていないことがほとんどです。気になる住宅会社が「自然素材として珪藻土を使っています」と謳っていても、まずはその会社がどの程度のこだわりをもって、珪藻土建材を吟味しているかを確かめることが重要です。 ちなみにサン勇建設では、ホタテの貝殻をすり潰し漆喰と混ぜた塗り壁を採用しています。ホタテの貝殻には抗酸化作用・調湿作用はもとより、粉にしても粒が平らになるので固まるとひび割れし難い性質があります。開発したのは、北海道伊達市の小林建設様。大臣賞も受賞されました。ベテランの左官さんが丁寧に仕上げたホタテの壁は、光の反射もきれいで、目にやさしい色合いです。 また、珪藻土は仕上げるまでに4工程かかりますが、ホタテは2工程で済むので、コストも安価なのが特長です。 |
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フォレストキング(もみの木の床)
お手入れ・ワックスについて
「お手入れが大変そう」と思われがちな無垢材。でも、無垢材だから特にしなければならないことというものはありません。ただ、傷がつきやすかったり、収縮したりなど木の家独特の特徴はあり、それらに対する理解は必要です。
また、傷がつきやすいのは事実ですが、無垢材の浮造り加工の場合、その傷はそれほど目立つものではありません。ちょっとした傷なら、家庭で直すことができます。傷ができたところにぬらしたタオルを重ねて、その上からアイロンであたためると、わからないくらいにまで修復可能です。
フォレストキング(もみの木の床材)では、たいていの汚れは水拭きで落ちますので、以外に簡単です。ふだんはほうきや掃除機の手入れとなります。
床お手入れ用ワックスには、鉱物系と植物系があります。無垢の床のお手入れには、植物系を選んでください。 植物系ワックスは、無垢材の調湿力をあまり損なわずコーティングする特徴があります。その植物系ワックスにも、人によってアレルギー源がある場合がありますのでテストが必要です。
サン勇建設が取り組んでいること
健康な住宅をリーズナブルにつくるために
すべて自然素材で囲まれた健康住宅は、健康な家族生活を育むマイホームには望ましい事です。我が国が世界に誇る釘を使わない伝統工法(古民家造り)、竹でコマイを結い土壁で…等々『徹底したこだわり』と行きたいところです。ところが、東京23区内では準防火の法規の壁や建築価格、火災保険料や税金の問題と、なかなか徹底した自然素材の追及が難しいという現状があります。そして、健康な家族生活を育む家づくりは、若いご家族や終の棲家に特に意識していただきたいことですので、高額な住宅では困ってしまいます。
そこでサン勇建設では、構造体にかかわる建材とじかに生活に密着した内装建材とを、分けて考えていくのが合理的な考えだと思っています。具体的に言いますと、2×4工法を採用することによって、コストを抑えつつ丈夫で火事や地震に強い構造体を実現します。2×4工法に使われるエンジニアウッドの化学物質は、石膏ボードによって室内の空気環境には干渉しない仕組みです。同時にもみの木やホタテの内装によって心と体にやさしい家をつくり上げます。これは様々な試行錯誤の末、現状に最も適した最良の選択として、私たちが導き出した結論です。 |
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サン勇建設が提案する
健康な家族生活を育むマイホームのための8ヶ条
1 高気密な構造
排気ガスや近隣の臭気に有効です。そしてもちろん省エネ。
2 内装はなるべく徹底した自然素材を採用
気密性のいい構造体では、構造体に使用される構造用合板が内部に干渉しにくくなります。
3 自然素材と言われているものでも内容を要チェック
せっかくの無垢の床でも、輸送の際に防かび剤などを噴霧してある場合があります。
塗り壁建材の内容が良くない物もあります。一般に良いと言われる物でも内容を要チェック。
4 床材は、針葉樹がおすすめ
日本の住宅には、はだしの文化があります。冷たくて硬い広葉樹の床材は向きません。
また針葉樹の床は、比較的温かいので免疫力もアップします。
5 内装の素材は、調湿力の優れたものをチョイス
気密性の高い家は、夏ヒートショックになりがち。
四季を通して調湿する素材選びは健康や光熱費に直接かかわってきます。
6 防蟻処理に使用する薬剤を吟味
合成薬剤には厳重注意。近隣や家庭菜園にも響いてきます。
7 電磁波の強い住宅設備や家電には気を付ける
消費電力の強い住宅設備や家電から離れることが大切。電気カーペット、電気式床暖房には要注意。
8 家具・家電には、規制がありません。
せっかく良い家ができても、家具・家電・カーテンには規制がないために空気環境が悪化する場合があります。ご注意ください。
サン勇建設が自然素材にこだわる理由
サン勇建設常務の矢澤育美は仕事と主婦の両立で、忙しい毎日を送っていたある日、突然症状が出始めました。激しい頭痛、めまい、吐き気・・・。たまりかねて近くの病院を受診すると「どこも悪くありませんよ。気のせいでしょう」と言われました。"気持ちの上でどこか逃避的な部分があり、それが症状を引き起こしているのだろう"という意味のことを言われたのです。矢澤も医師の言うことをそのまま受けとめ自分を責める気持ちが強かったと言います。これがフォレストキング(もみの木の床)と出合って改善され、初めて自分がシックハウスから化学物質過敏症になったことを知りました。
今サン勇建設が必至になって自然素材に取り組んでいるのは、なにより将来の子供たちのためです。一大決心して新築した夢のマイホームなのに、そこで暮らし、成長したことが原因で子供たちがシックハウスになってしまったら。そんな悲劇はありません。 そして現在施工されているシックハウス法だけでは、化学物質から家族を守れるよい環境の家は建ちません。
フォレストキング(もみの木)やホタテの壁材、2×4工法などは、室内の空気環境を出来る限り良いものにしようと、サン勇建設が取り組んできた結果です。シックハウスや化学物質過敏症はある日突然起こります。ビーカーに水が溜まっていき、ある日溢れ出すというたとえを、みなさんもお聞きになったことがおありだと思います。新婚様、小さなお子様や高齢の方がいらっしゃるご家族は、ぜひ一度お家の空気環境について考えてみてください。サン勇建設では『もみの木カフェ』を開いており、そこでも自然素材や空気に関する様々なことをお知りいただけます。 |
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