アパート建築「プリマ」にかける想い

入居者、地域、オーナー様の「三方良し」を実現したい

永田輝彦・プリマ倶楽部社長×矢澤佑規・サン勇建設専務

プリマは、首都圏を中心に全国展開を図る女性専用の次世代アパート。
竣工後も末長くお付き合いする地域のビルダーが、建物の施工を担っています(2016年現在の施工店は千葉県から兵庫県まで14社)。

最大の特徴は収益性の高さと長寿命化にありますが、プリマが目指すのはそれだけではありません。
プリマ事業の本部機能を担うプリマ倶楽部の永田輝彦社長と、プリマの施工代理店で個々の建物の計画と建設を手がけるサン勇建設の矢澤佑規。
それぞれの立場から、プリマにかける思いを語り合いました。

 

永田輝彦・プリマ倶楽部社長

永田輝彦・プリマ倶楽部社長
 

矢澤佑規・サン勇建設専務

矢澤佑規・サン勇建設専務

永田「賃貸市場で勝負出来る。宝箱のような商品だと思いました。」

矢澤

プリマ倶楽部(横浜市)の永田輝彦社長とは、2011年に私がプリマについてお問い合わせして以来のお付き合いです。当時は株式会社サンタ通商の1つの事業部として動かれていましたね。プリマ倶楽部はどういう経緯で生まれたのでしょうか。

永田

サンタ通商は輸入建材や輸入住宅を扱う会社で、納材先であるビルダーの1つにスターホーム株式会社がありました。同社がプリマというアパートを展開されていて、2009年に完成した「プリマ三番館」を見学する機会があったのです。
私はそれまで、賃貸住宅は「できるだけ安く建ててできるだけ高い家賃で貸す」というビジネスモデルだと思っていました。だから、私たちの扱う高価な建材を賃貸住宅に使っていただくことは全然考えていなかったのです。ところがスターホームさんのプリマは、無垢材をはじめグレードの高い素材や仕様を採用していました。しかもそれまでの実績によると、1部屋当たりのコストは大手メーカーに比べて2割くらい安いというのです。
その頃は注文住宅の市場が縮小し、各地のビルダーは元気をなくしていました。そんな時にプリマを見て、「これなら賃貸市場で勝負できる。地域ビルダーが生き残っていくための宝箱のような商品だ」と直感しました。お客様にとっても地元密着のビルダーなら、完成後もメンテナンスなどできめ細かなお付き合いをしていける安心感があるはずです。

矢澤

その後、地域のビルダーと組んでプリマを全国展開する事業を始められたわけですね。現在のプリマの仕組みは当時から整っていたのですか。

永田

防音の処理などは順次改善してきましたが、外観や間取りの考え方はほぼ出来上がっていましたね。
私は、とにかく良いものだからぜひ全国に広めたいと思い、スターホームさんに話を持ちかけました。設計やマーケティングはわれわれ本部で行い、個々の施工は地域のビルダーが手がける。小さい会社が集まって無駄な経費をかけずに済む仕組みをつくれば、良いものを安く提供できます。ご理解を得て、2010年サンタ通商にプリマ事業部を立ち上げ、2015年2月に独立して株式会社プリマ倶楽部を設立しました。

 

矢澤「プリマの施工代理店は、みな前向きに学び合っています。」

矢澤

私が最初にご連絡した2011年は、プリマ事業部ができて間もない時期だったのですね。
私たちサン勇建設は健康に配慮した注文住宅を手がけ、私自身「良いものへのこだわり」を持ってきました。会社ではいくつか賃貸アパートを建設していたので、良質な賃貸アパートの商品を探していました。
そうしたある時、日頃お世話になっている仲介会社の担当者からプリマの話を聞き、物件を見に行きました。実際の建物を目にした瞬間に「これは絶対にいい」、「ぜひプリマに加盟しよう」と決断しました。その時はプリマの仕組みも全然知らなかったので、直感ですね。でも、本当に良いものは五感で感じ取れるものだと思っています。
やるからにはすぐ動こうと、それまで60、70件ほどあったアパート管理の物件を仲介会社に譲り、永田社長に電話をしたのを覚えています。

永田

そこで私が草加市のサン勇建設本社を訪ねたのでしたね。事前にサン勇建設さんのホームページを見たらストーリー性のあるつくりになっていて、ご家族を大切にされていることや、家づくりに携わっている人の物語が伝わってきました。そういう発想をする会社はなかなかありませんから、お会いする前からきっと良い会社だろうと想像していたんですよ。でも実際に会ってみると違う場合もあるので(笑)、そこを確かめようと思ったわけです。

矢澤

加盟する施工店は、どういう基準で選んでいるのですか。

永田

大きく2つあります。1つ目は、その会社の人間性ですね。仕事をしていくうえで嘘があると、関係者を傷つけます。例えば、設計仕様を決めるのはプリマ本部ですが、実際に施工するのは加盟する施工代理店です。現場で手抜きされると、プリマ倶楽部全体がお客様からの信頼を失ってしまう。

矢澤

誰か1社でも手を抜いたらおしまいですからね。プリマ倶楽部はその点、協調を乱す会社がないのが良いところです。1カ月に1回開催する施工代理店の会では、互いに工夫点や課題を語りながらノウハウを伝え合っています。前向きな良い関係を築けていると思います。

永田

施工店を選ぶ2つめの基準は、建物に対する考え方です。安く建てて売ればよいのではなく、きちんとしたこだわりを持っていること。サン勇建設さんも、シックハウス対策にターゲットを絞り、本物の自然素材を用いながら嘘のない誠実な姿勢でニーズに向かい合っていらっしゃるので信頼できると思いました。

 

矢澤「こういう建物に住んでみたい、と思っていただける力がある。」

矢澤

私がプリマに惹かれた点の1つは、時間が経ってもすたれない魅力を持っていることです。

永田

プリマは、世代を超えて選ばれ続ける力を持っています。プリマ自体の歴史はまだ浅いのですが、そう言い切れるのはデザインも構造も普遍性を備えているからです。
例えば建物のデザインは、1700年代ごろの英国で生まれたジョージアンスタイル。これまで300年という長きにわたって愛され続けてきた様式ですから、今後その良さが失われることはありません。外壁のレンガも、東京駅や赤レンガ倉庫など100年以上前から使われている本物の素材。構造面でも、プリマが採用している2×4工法はやはり100年を超えて使われ続けています。
良いものは、時間がたっても愛されます。東京ディズニーランドの入り口にあるワールドバザールの建物は1983年の開業以来変わっていませんが、今も多くの人たちをワクワクさせる憧れの存在です。我々のプリマも、ディズニーランドの建物みたいと言っていただいています。

矢澤

私は、お客様に「プリマって何ですか」と聞かれたら「世界文化遺産」だとお答えしているんです。決してオーバーな表現ではなく、例えばドイツに行ったら街中はプリマだらけでしょう(笑)。「こういう建物に住んでみたい」と思わせる力を備えているのです。

永田

海外では古いものに価値がありますからね。
私がプリマを展開する際に考えているのは、「三方良し」を生み出すことです。入居者、地域社会、そしてオーナー様に喜んでいただけるようなアパートにすることが大切なんです。
まず、入居者が気持ち良く住めて、入居者が学生さんの場合はそのご両親も安心していただけるようにする。そして、美しく素敵な建物を提供すれば、明るく若い女性たちが集まってくるから町自体が活性化していきます。地域の人に愛され、地域の資産を高める建物を生み出していくことも大切です。
オーナー様にとっては、所有する誇りを持っていただけるようにしていきたい。アパート経営によってお金を得られるとか節税できるといった経済上の側面だけでなく、良いものをつくったという「思い」の資産を残せるようにしたいですね。

 

矢澤

私がご相談を受けるケースでも、お父さんが建てたアパートを相続した結果、苦しまれている二代目をよく見かけます。でも、アパート経営の成否は建てた時点で8割がた決まりますから、一度建ててしまったら手の打ちようがない。営業マンのおいしい言葉に踊らされ、家賃保証してもらえば大丈夫と安易に考えて取り組むと、大切なものを失いかねません。
不動産業界では長い期間「土地神話」があり、建物に価値を求めてきませんでした。木造住宅の減価償却が23年に決まっているのもその一例ですが、こうした仕組み自体を変えていく必要がありますね。

永田

私は何とか建物の価値を認めてもらいたいという気持ちを抱きながら仕事をしてきました。でも注文住宅には、建物の価値を評価する仕組みがないのです。一方、賃貸住宅は完成したら常に入居者から評価され続けます。素材や構造に相応のお金をかけることで、家賃や稼働率を高く保つアパートが実現できるのです。

矢澤

プリマは、完成後20年、30年たってから違いが際立ってくるでしょう。私も「Prima St.Arisa」のオーナーになったので、将来が楽しみです。

   

永田「関係者がみんな輝いている、そんなアパートづくりを目指します。」

永田

矢澤専務は、プリマ倶楽部の施工代理店のなかで個人オーナーになられた第一号です。

矢澤

最初にプリマを見学した時、すぐ自分もオーナーになろうと決めました。
先日、建物が完成してからお客様を15組ほどご案内したのですが、いつになく皆さん積極的に見学してくださるんです。今までは「本当に大丈夫か」と口にされていた方からも前向きな評価をいただきました。私に対する遠慮もあるのでしょうが、自力でオーナーになったからこその説得力もあるのかなと感じています。

永田

矢澤専務は真面目な勉強家です。一人一人のお客様の悩みを真摯に受けとめ、知らないことは勉強しながら解決法を考えていくという姿勢にブレがない。プリマグループのなかでも中心的な存在で、一緒にグループを良くしていく仲間だと考えています。

矢澤

私はこれまで建築と不動産を専門に仕事をしてきましたが、グループ全体が良くなっていくよう永田社長にもどんどん提案していきたいですね。

永田

携わる人すべてに喜びを、というのが私の信念です。プリマ倶楽部は会社ですから、もちろん売上は大切です。でも、嘘をつかない営業提案をし、関係者がそれぞれ楽しみながら輝くことを目指していきたい。そういうふうに我々が仕事をしていると、次の時代を担う子どもたちも「働くことが格好良い」、「大人って素敵だ」と思ってくれるでしょう。オーナーさんと共に多くの人から愛される良い建物をつくり、地域に貢献する資産を次の時代へと引き継いでいくことがプリマ倶楽部の願いです。

 

プリマ倶楽部MVPのトロフィー

矢澤佑規が受賞したプリマ倶楽部MVPのトロフィー

(2016年1月26日、サン勇建設モデルハウスにて)