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自然素材の家・無垢の家が増えている理由 ― 千葉・埼玉の事例紹介

2021/11/27(土) もみの木と自然素材

自然素材の家・無垢の家が増えている理由―千葉・埼玉の事例紹介

千葉と埼玉の自然素材の家、無垢の家
写真:当社お客様 K様

これから自然素材の家、もしくは無垢の家を建てたいと考えている人がどんどん増えています。その理由は、自然素材の家や無垢の家が持つ「健康によい」「経年美化」「高い調湿効果」といったメリットが魅力的だからです。もちろんデメリットもあり、大きく二つ「比較的コストが上がる傾向」があること、「傷が付きやすい」ことが挙げられます。

自然素材の家・無垢の家が増えているのは、メリットがデメリットよりも価値があると判断されているからです。ですが、そもそも日本は昔から木造住宅の文化ですし、木は自然の産物。何でわざわざ自然素材であることを強調するの?と思う人もいるかもしれません。そこで今回のコラムでは、改めて自然素材の家・無垢の家の需要が増えてきている背景、そして実際に埼玉県・千葉県にある自然素材と無垢材のメリットを活かした住宅の事例を写真と一緒に紹介します。

 

自然素材の家と無垢の家の違い

自然素材とは、化学物質が使われていない自然の素材のことです。例えば鉄骨や鉄筋コンクリートは当然ですが自然素材ではないですし、壁材では塩化ビニール樹脂が主原料となったビニールクロスも自然素材ではありません。

無垢の家に使われる無垢材とは、一本の丸田から切り出した木材のことで、合板や集成材のように複数の木を貼り合わせるような加工がなされていないものです。自然素材には数多くの種類があり、無垢材はその括りの中の一つとなります。

【自然素材の例】

  • 床材:無垢材、コルク、天然石
  • 壁材:漆喰、珪藻土
  • 塗料:漆、渋柿、蜜蝋、植物性オイル
  • 断熱材:セルロースファイバー、炭化コルク、サーモウール
  • 接着剤:にかわ、米糊

 

自然素材の家や無垢の家が注目されたきっかけ

上述したように、日本は昔から住宅の9割以上が木造で、それは今日においても変わりません。駅やマンション、ドームなど大きな建物が倍増している近代では鉄骨造や鉄筋コンクリート造の数も増えてきましたが、人が生活する一戸建てに関しては、未だに90%以上が木造です。

木造住宅なら自然素材じゃないの?と疑問に思う方もいるかもしれません。事実、木そのものは自然の産物です。ですが、人間が接着剤や薬剤を使って加工をすることで、自然の姿ではなくなってしまいます。

実は、関東大震災や敗戦後に復興需要があり、ここ数十年で日本が必要とする木材量が激増。供給を間に合わせるために、人工乾燥した木材が主流となったり、ビニールクロスや合板といった化学物質を含む安価で便利なものがしごく一般的な内装材として使われているのです。

このような素材が一つの選択肢として悪いというわけではありませんが、自然ではない素材が増えることにより、1980年代からシックハウス症候群が増え始め、2003年まで増加の一途をたどります。

そこでようやく建築基準法が改正され、シロアリ対策の薬剤に含まれるクロルピリフォスと接着剤などに使われるホルムアルデヒドの使用を全面的に禁止、もしくは制限したことでシックハウス症候群に悩む人の数は減りました。

それでもまだ一定数の患者が存在します。また、室内の化学物質濃度が高いことによる体調不良はシックハウス症候群にとどまらず、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、化学物質過敏症といった厄介な病気を誘発します。そういった理由から空気環境を改善するために、徐々に自然素材の家・無垢の家というものが重要視されるようになってきたのです。

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自然素材の家・無垢の家はどのくらい増えてる?

自然素材と言っても、実は正式な定義が公に定められているわけではありません。ですから自然素材の家の着工推移のようなデータはないのです。ですが先述した通り、シックハウス症候群の増加をきっかけに自然素材や無垢材に注目が集まっているのは間違いありません。

その傾向は施主だけでなく大工さんにも見受けられます。全国建設労働組合総連合の調査では、大工さんが持つ興味ランキングで、自然素材が一位に輝いています。大工・施主ともに自然素材や無垢材の効果を実感しているからこそ、化学物質をできるだけ減らした家づくりへ原点回帰しているわけです。

住宅における大工が興味を持っているテーマ

 

自然素材の家・無垢の家の埼玉・千葉の事例

数ある自然素材の中でも、ドイツの黒い森「シュヴァルツヴァルト」で育った自然乾燥されたモミの木が使われた自然素材の家・無垢の家の事例を見てみましょう。

 

 

消臭力+モミの木の香りを楽しめるリビング

自然素材の家のリビング写真:当社お客様 S様

床と天井に自然素材モミの木を使ったお家です。人口乾燥ではなく自然乾燥されたモミの木には高い消臭力が備わっており、リビングで焼き肉をしたとしても匂いがこもりづらい特長があります。コロナ渦もありご自宅で家族と過ごす時間が増えた今、リビングで匂いを気にせず楽しい企画ができるのは自然素材の家・無垢の家の持つ大きな魅力となります。

 

モミの消臭力を活かしたトイレ

モミの消臭力は住宅のあらゆる場所に応用可能です。トイレの内装材にもモミの木を使うことで、悪臭が消え、木の香りに変わります。

モミの木の消臭力を活かしたトイレ写真:当社お客様 H様

消臭力を活かしたトイレ
写真:当社お客様 J様

 

モミの木の調湿効果と消臭力を活かしたウォークインクローゼット

自然乾燥されたモミの木は、珪藻土やその他の調湿建材よりも高い調湿力を誇ります。調湿力というのは、室内の湿度を一定に保ってくれる力のことです。湿度が高いときは木材が湿度を吸い、乾燥していれば湿度を放出してくれます。

モミの木の調湿力は本当に高く、当たり前のように室内干しをすることができます。花粉の時期、雨の日など外干しできないときも室内で干せるため非常に人気があります。

調湿効果を活かしたウォークインクローゼット写真:当社お客様 K様

調湿効果を活かして室内干し 
写真:当社お客様 T様

自然素材や無垢材の調湿効果を素材別で比較した記事でも紹介しましたが、スギ合板、マツ、珪藻土よりも自然乾燥したモミの木が高い調湿効果を誇っていることが明らかになっています。

  

モミの木のリラックス効果を活かした寝室

リラックス効果を活かした寝室写真:当社お客様 I様

特定非営利活動法人「森林セラピーソサエティ」によると、自然素材が発するフィトンチッドという木々の成分にはリラックス効果があることが分かっています。フィトンチッドには脈拍低下や緊張緩和、最高血圧・最低血圧の抑制といった効能があるため、寝室に自然素材を取り込むことで安眠効果を得ることができます。フィトンチッドは、人工的な加工を加えた木材だと発散量が減ると言われており、できるだけ自然乾燥された無垢材を用いるのが得策です。

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モミの木のストレス軽減を活かした在宅ワークスペース

ストレス軽減効果を活かした在宅ワークスペース写真:当社お客様 J様

先の項目でも触れた通り、無垢材から発せられるフィトンチッドにはストレス緩和効果もあります。在宅ワークが徐々に浸透してきている近年、同じ空間にご家族もいるなか、できるだけイライラしたくないという方がほとんどのはずです。多くの時間を過ごす在宅ワークのスペースをほのかな木の香りが漂うフィトンチッドに溢れた空間にすれば、勤務中のストレス軽減に繋がり、ご家族に意図せず強くあたってしまうなんてこともなくなるかもしれません。


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