調湿効果が高い自然素材はどれ?本当は珪藻土よりモミの木

調湿効果が高い自然素材はどれ?本当は珪藻土よりモミの木

自然素材と調湿効果
写真:当社お客様 M様

自然素材には様々な効果があり、木造住宅を建てる際に使う建材として非常に注目を浴びています。その中でもとりわけ着目されているのが “調湿効果” です。室内の調湿効果が高まることで、カビの発生を防げたり、ドライアイや喉の痛みの防止になるなど数々のメリットがあります。

ですが、そもそも本当に調湿効果があるのか、自然素材といってもどの自然素材がより調湿効果を持っているのか、科学的根拠に基いた素材の比較記事は意外と多くありません。そこで今回は当社がよく採用する自然乾燥されたモミの木材を含め、一般的に調湿効果が高いとされる珪藻土、パイン、スギ合板などをデータに基づき比較していきます。

 

そもそも自然素材とは?

自然素材とは、化学物質が使われていない天然の素材のことを指します。自然素材として一般的に知られているのが無垢材や珪藻土などです。無垢材は一本の丸田から取れる木材のことで、複数の木々を貼り合わせて作る合板とは違い、接着剤などの化学物質が使われていない素材です。

珪藻とは、海底の植物性プランクトンのことです。その植物性プランクトンの殻が海底に沈殿して化石となった土が原料となっています。この他にもスギやヒノキ、モミといった樹種でも自然乾燥され、化学物質が使用されていない建材などは自然素材と呼ばれています。

 

自然素材のメリットとデメリット

自然素材を住宅に使うことで得られるメリットを見てみましょう。

  • 調湿効果
  • 森林浴効果
  • 節約・省エネ

大きく分けるとメリットはこの三つです。木材の調湿効果について過去の記事で詳しく解説しましたが、自然素材には健康促進に繋がる森林浴効果があるということが研究で実証されています。

関連記事:森林浴効果と免疫力の関係性

そして何より重要なのは “調湿効果“ です。家自体の調湿効果が高まることでどういったメリットがあるのでしょうか。

  1. カビが発生しない
  2. 極度の乾燥を抑え、ドライ・アイや喉の痛み対策になる
  3. アトピー性皮膚炎に効果がある
  4. 喘息に効果がある
  5. 内装材の反りの予防
  6. 機械での湿度調整負担が減り節約できる

特に健康面で貢献してくれるところが重要ではないでしょうか。赤ちゃんから大人まで悩まされるアトピー性皮膚炎ですが、肌の乾燥やダニ・カビ・ハウスダストなどのアレルゲンが原因で発症したり、症状が悪化したりします。

喘息もアトピー性皮膚炎と同じで、やはり室内の空気環境が病状を左右します。病院に通ったり、肌を清潔に保ったり、薬を飲むという対処法もありますが、家の素材が健康を促進してくれればお子さんやご家族の生活が安定します。このようなメリットが、高い調湿効果を発揮する自然素材にはあるのです。

※関連記事:大人のアトピー性皮膚炎に悩む人必見!体質改善を助ける自然素材の家

自然素材を使うことのデメリットを挙げるとすればコスト面でしょう。良質な素材というのは比較的高価なのが世の常です。大量生産できる安い建材と比べてコスト高になるため、家づくりの建材として採用する場合は、ハウスメーカーや工務店と相談しながら適材適所で部分的に使うのも手かもしれません。

 

自然素材の調湿効果比較―モミ、珪藻土、パイン、スギ合板

ここで本題の素材比較を紹介します。比較対象とするのは一般的に調湿効果が高いと謳われる「モミ」「珪藻土」「パイン」「スギ合板」です。科学的な実験データはパッと見ただけでは解釈が難しいため、分かりやすくポイントとなる数値を掻い摘んで比較します。

 

自然乾燥させたドイツ産もみの調湿効果

下図がJIS規格にのっとってテストした調湿効果の結果です。素材は、*自然乾燥させたドイツ産モミの木材、いわゆる自然素材です。環境を湿度80%まで高めてモミの木材に湿度を吸収させ、その後湿度を一度40%まで落とし湿気を放出させるサイクルを4回繰り返しています。

この実験で明らかになったのは、実験開始から84時間後に最大で114g/㎡まで水分を吸収したことです。これはコップ約15杯分の湿気となり、非常に高い数値です。

 モミの木の吸湿過程及び放湿過程における試験体質量の変化

*サン勇建設の自然乾燥させたドイツ産モミの木材

 

珪藻土の調湿効果

珪藻土はよく壁に貼られる自然素材として知られています。その最大の強みは調湿力で、確かに実験でも高い調湿力が示されています。一般財団法人健康・省エネ住宅を推進する国民会議の試験では、湿度95%という環境下で120時間湿度を吸収させた結果、72時間目でピークの95/㎡の吸湿量に到達しました。

参考:一般財団法人健康・省エネ住宅を推進する国民会議 

 

パインの調湿効果

他社が行ったにパイン材の吸放湿量試験では、12時間が経過した時点で最大の吸湿地点に到達しており、その数値は30g/㎡です。また、この30g/㎡というのはパインの放湿力の最大値でもありますが、モミの木の最大値は約4倍(114g/㎡以上)でした。

参考:ログハウスの快適・安全の理由

 

スギ合板の調湿効果

島根県産業技術センターの研究報告では、モミの木と同様にJIS規格に沿ってスギ合板の調湿効果が測定されています。その結果を見ると12時間目でピークに達しており、その時点での吸放湿量は15g/㎡です。

参考:島根県産業技術センター研究報告「各種建築材料の基本的吸放湿性能の評価

 

自然素材の調湿効果比較まとめ

最後に各素材の調湿効果の比較を下図に分かりやすくまとめます。12時間経過の時点でも最大値においてもモミの木の調湿力が大差で一位という結果が出ました。

素材別 湿気の吸湿量の比較

もちろん各データの実験環境は全てが完璧に一致するものではないですが、例えばモミの木の調湿力測定は珪藻土よりも厳しい環境下で行われているにも関わらず珪藻土より高い調湿効果が示されました。こういった木材以外にも吸放湿壁紙というものが注目を浴びていますが、石膏ボードと組み合わせた上で55g/㎡程度が一般的なパフォーマンスになりますので、モミの木や珪藻土と比較すると調湿効果は下がります。

もう一つ最後に重要な点を補足すると、モミの木であれば全てこの調湿力を発揮するというわけではないということです。自然乾燥されたドイツ産のモミの木だからこそであり、管理のされ方が違う、産出地域が違うなどの事実があれば、調湿効果が変動する可能性があるということは頭の片隅に置いておいてください。

 

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モミの木の調湿効果が高い理由

全てのモミの木がここまで高い調湿効果を発揮するわけではありません。複数の考察が存在しますが、その中でも一番確かなのは、 "柾目面を使用しているかどうか" という点です。柾目とは下図のように木目(年輪)が縦に入っている切り口の木材です。

柾目と板目

ドイツ産の自然乾燥させたモミの木の柾目を電子顕微鏡で観察した結果、水分が出入りする壁孔の数が多く、それにより吸水能力が高まっていることが明らかになりました。木目が横に入る板目は、水を通しづらいため酒樽や水桶などに使用されます。逆に板目は木目が縦に入っているため、調湿効果が高く、希少でもあります。

調湿効果を最大化した「カビ知らず」「乾燥知らず」の家を実現するために、このような調湿効果の高い素材を積極的に取り入れてはどうでしょうか。

 

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