木造建築のメリット・デメリットを解説!鉄骨造・RC造とはどこが違う?

2021/12/19(日) 家の構造と工法

木造建築のメリット・デメリットを解説!鉄骨造・RC造とはどこが違う?

木造建築のメリットとデメリットを解説!鉄骨造・RC造とはどこが違う?写真:当社お客様 I様

これから家を建てたいという人が決めなければならないものの一つが構造です。構造は主に木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)があり、それぞれ長所と短所があります。

鉄骨造や鉄筋コンクリート造はオシャレに見えるし丈夫そう、火災にも強そうと考える人は多いです。ですが、日本の住宅は今も昔も木造が9割を越えます。現代でもこれだけの人が木造建築を選択するにはそれだけの理由があるのです。

今回のコラムでは、木造建築のメリットとデメリットを鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較しながら解説していきます。

 

木造建築のメリットとデメリット

まずは木造建築のメリットをずらっと並べてみます。

  1. 坪単価が安い
  2. 乾燥・多湿が少ない
  3. カビやダニが発生しづらい
  4. 触った感じがあたたかい
  5. 怪我や病気の予防になる
  6. 香りがいい
  7. 経年美化する

メリットだけでなくデメリットを見ることも大切です。多くの方が木造建築を建てる際に心配するのは以下の3点でしょう。

  1. 耐久性
  2. 耐火性
  3. 耐震性

この3点は住む人の命を守るという意味で、誰もが気にするところです。この生命線となる3点において、鉄骨や鉄筋コンクリート造(RC造)と比較して木造建築がどうなのかをコラムの最後に解説します。

関連記事:【失敗を回避する新築戸建ての構造選び】木造・鉄骨・鉄筋コンクリートを比較

 

坪単価が安い

第一に挙がるメリットがコスト安です。普通であれば30年から35年の住宅ローンを組んで建てる家。場合によっては土地から購入する必要があります。トータルではどうしても数千万という金額に達してしまうでしょう。ですからコストというのは全ての人にとって大事なポイントです。

よく耳にする木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の中でも木造建築が最も安価です。もちろん使う素材やビルダーによって価格は上下しますが、木造であれば坪単価コストはだいたい40万円から70万円。鉄筋コンクリート造だとその倍近く高くなります。

構造 坪単価コスト(目安)
木造 40~70万円
軽量鉄骨造 50~80万円
重量鉄骨造 60~90万円
鉄筋コンクリート造 60~100万円

 

鉄骨や鉄筋コンクリートは木材よりも重いため、建築費用が高いだけでなく地面を強化するコストも発生します。そうなると世帯年収が足りず住宅ローンの審査が通らない可能性もありますし、仮に通っても毎月の返済で生活費の負担額に10万円以上の差が生まれてもおかしくありません。

 

乾燥・多湿が少ない

木材には調湿効果があります。木は、周囲を育った環境に近い状態に戻すと言われており、木造建築のように木材で家を建てると室内の湿度が安定するのです。これは様々な研究結果ですでに実証されていて、鉄筋コンクリートや鉄筋にはない木造建築のメリットです。

木には往々にして調湿効果がありますが、それでも樹種や素材の質によってその効果は変わるため、調湿効果を期待して住宅を建てる際は工務店やハウスメーカーと相談が必要です。

では、どのような樹種やどのような木材が高い調湿効果を備えるているのでしょうか?結論から述べると、無垢材や自然素材と呼ばれる木材の調湿力が総じて高いです。

木には壁孔という無数の穴が開いており、その穴を通じて湿気が出入りします。無垢材や自然素材は伐採から住宅に使用されるまでの過程でこの穴が綺麗に残るのです。合板であったり表面を加工されたりする木材はこの穴が破壊され、湿気の出入りが悪くなります。
※図:自然素材モミの壁孔の写真

関連記事:調湿建材って何?木材の調湿効果と家づくりの注意点

木材の調湿効果は壁孔の維持度にあり木材の調湿効果、湿気が通る壁孔
写真:埼玉県産業技術総合センター撮影/走査型電子顕微鏡による自然乾燥させたドイツ産モミの木の試験

また、木の種類や素材によっても調湿効果が変わります。例えば珪藻土は、木材ではありませんが調湿効果が高い自然素材として知られています。

自然素材の調湿効果比較

関連記事:調湿効果が高い自然素材はどれ?本当は珪藻土よりモミの木
関連記事:自然素材の家、無垢の家とは?知っておきたいメリットとデメリット

 

カビやダニが発生しづらい

カビは温度25℃~35℃、湿度75%以上になると繁殖のスピードが急上昇します。日本だと6月後半からでもこういった環境になりやすく、実はカビにとっては最高の環境が整っているのです。

また最近は高気密高断熱な住宅が建てられており、気密度が高いということは湿度も高くなりやすく、一年を通してカビ発生のリスクを抱えているといっても過言ではありません。ですが、木造建築は室内の湿度を50~60%に安定させる力があるため、夏もカビが発生しづらくなります。

そして、その発生したカビを食料として増殖するのがダニです。カビの発生は、同時にダニの増殖を促すことになるため、木造建築を建てて室内の湿度を60%未満に保つことが、カビ・ダニ対策に直結します。

ただし、先の項目でも触れた通り木の素材によって調湿力が大きく変わるという事実もあり、自然素材のように丁寧に生産された木の方がその効果が大きく、カビ・ダニ対策としてはより有効になります。

関連記事:自然素材の家を建てたい人が考えるべきこと-コスト削減の極意は"適材適所"と"優先順位"

カビ・ダニ対策は木造建築
写真:当社お客様 S様

 

触った感じがあたたかい

木材に関するイメージ調査では総じて「あたたかい」「肌触りがよい」「安全な」という回答が多いです。これらは感覚的なものではないかと疑問視される方もいますが、科学的側面も含めてすべて説明がつくものです。

例えば木材は、熱伝導率が鉄やコンクリートより圧倒的に低いです。と言うのも、表面は完全な平面ではないため、触った時に肌と木の間に無数の空気があります。空気というのは最高の断熱材の一つで、素材の温度が肌に伝わりづらくなるため、素材自体の温度が低くても体感温度はそこまで低くないのです。

建築材料の熱伝導率比較木材機能研究所のデータをもとに作成

ただし、木なら何でも同じように温かく感じるかというと、そういうわけではありません。例えば薄い木質フローリングをコンクリートの上に敷いただけの部屋では、やはり「冷える」と感じる人が多く、自宅で木のあたたかみを感じたい人は、無垢の床材にする、浮造りの床材を選ぶなど一工夫加えることで、より木の性能を引き出すことができます。

床を浮造りにすることで温かみが増す

 

 

怪我や病気の予防になる

木材には弾力性があり、衝撃を適度に緩和する力があります。床がコンクリートや鉄でできている学校の体育館を見たことがある人はいないはずです。家の中で子供が走り回るようなことがあれば尚更、床は木材に変えた方が怪我は減るでしょう。

さらに大きな点は、病気の予防や改善になることです。自然の産物である木の性能は本当に計り知れず、一言では伝えきれないほど健康への良い影響を持っています。ただし、木なら何でもいいわけではありません。接着剤などの化学物質が制限なく使われた木造住宅が増えたことで1980年頃からシックハウス症候群が流行り始めました。

2003年にようやく建築基準法が改正され、特定の化学物質の使用に制限かかり、シックハウス症候群に悩まされる患者数は減少していきましたが、それでもまだ多くの方が悩まされています。自然素材を使った木造建築は次の病気や悩みを抱える人に効果があると言われています。

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香りがいい

木材の香りの良さを知っている方は多いでしょう。鉄やコンクリートにはない自然の香りを楽しむことができるのが、木造建築の良さのひとつです。日本の建材で代表的な針葉樹の木の香り成分には、αピネンやリモネンというものがあります。

これらは免疫力向上やストレス軽減といった効能があり、そのため人は木の香りを心地よいと感じるのです。しかし、当然これも樹種によって成分含有率が変わります。

針葉樹の香り成分の含有率比較
※谷田貝光克「森の香り・木の香り その正体と動き」(2007年)をもとに作成

αピネンの効果:森林浴効果・強壮作用・血行促進作用・抗菌作用・免疫向上作用
βピネンの効果:胃保護・抗不安・細胞保護・抗けいれん・神経保護
リモネンの効果:抗ストレス作用・害虫徐作用・脳機能更亢進作用・アルツハイマー型痴呆症原因物質阻害作用・精神を鎮静させる・デオドラント作用・育毛促進抜け毛予防効果・抗菌作用

 

経年美化する

これは感覚的な問題で数値化が難しいポイントでもありますが、劣化した鉄やコンクリートを美しいと思う人は少ないのではないでしょうか。鉄であれば錆、コンクリートであればひび割れといった劣化が発生します。一方、木造は自然素材や無垢材であれば経年美化することが多いです。

木材にも傷やひび割れは起こりますが、木質の骨董品、古い木造の歴史的建造物に風情があると感じられるのは、経年美化によるものです。 

関連記事:自然素材の家を建てる前に知るべき事実 ー 素材別のメリット・デメリット

 

 

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木造建築でいいか迷っている人が気になること

ここまではメリットを紹介してきましたが、木造建築を建てる人の多くが不安視する「耐久性」「耐火性」「耐震性」についてもフォーカスしてみましょう。

 

木造建築の耐久性

木造建築の耐久性は80年以上、100年を超えることもあります。鉄骨造や鉄筋コンクリート造の方が丈夫というイメージもあるかもしれませんが、それは法定耐用年数の違いから生まれたものです。

構造 法定耐用年数 耐久
木造 22年 80年以上
軽量鉄骨造 27年 50年程度
重量鉄骨造 34年 100年以上
鉄筋コンクリート造 47年 100年以上

 

法定耐用年数とは、不動産の原価償却費用を計算するために国が定めた一律の数字です。つまり、法定耐用年数が22年だからといって木造建築が22年しか住めないということではありません。

ただし、木造建築の耐久性は構造材に使われる木材とメンテナンスに依存します。例えば、木には多重の層があり、これを年輪と呼びます。年輪というのは原則、一年に一層ずつ増えていきます。この年輪が狭く多いほど、ゆっくり時間をかけて成長した木で、耐久性も上がります(厳密には例外もあります)。

生産に時間のかかる木は当然コストも上がりがちで、短時間で成長したくさん伐採できる木は、弱い代わりに安くなります。どういった木をどの程度使うかはコストと相関関係にあるため、ビルダーと相談して納得できるところを探るのがいいでしょう。

モミの木の年輪写真:ドイツ産の自然素材もみの木材

 

木造建築の耐火性

木は建築基準法において可燃材に当たり、鉄やコンクリートは不燃材となります。ですから、木造建築は火の燃料になりやすいというのは事実です。ですが結局のところ、一度火災が発生してしまえばどの構造であろうと住宅が大ダメージを受けるのは一緒です。

家を建てるとき、耐火性において考えなければならないのは、絶対に燃えない家を建てることではなく、次の4点です。

  1. 倒壊や全焼まで時間がかかる
  2. もらい火に強い
  3. 補修が簡単
  4. 火災保険料が安い

過去の記事「木造は火事に弱い?耐火性におけるチェックポイント4項」で詳しく解説していますが、木は燃焼が始まってから強度が低下するまで鉄よりも時間がかかります。これは倒壊や全焼まで時間がかるということです。

また構造によっては、一部屋で火災が発生しても他の部屋への火災が広がりづらいようにも作れます。結晶水を含む石膏ボードなどを活用すればもらい火にも強くすることができ、木造建築の耐火性は想定より遥かに高められます。

ちなみに木造建築の構造の中でもツーバイ―フォーという構造にすれば、在来軸組構造よりも火災保険が安くなるケースが多いです。

 

木造建築の耐震性

木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の耐震性を比較すると次のようになります。

鉄筋コンクリート造 > 鉄骨造 > 木造

ただし、木造建築には耐震性がないかと言われるとそうではありません。むしろ、耐震技術は年々向上されており、木造住宅の耐震性は鉄骨造とほぼ変わらないところまできています。また、木造は構造によって耐震性が異なり、ツーバイ―フォー住宅の方が在来軸組よりも耐震性が優れています。

それは過去の大地震が起きたときの倒壊棟数にも表れています。下図のように、阪神・淡路大震災と新潟中越地震では全壊した家屋がゼロ棟。半壊した家屋ですら2棟しかありません。

震災におけるツーバイフォー住宅の倒壊数

詳しくは「耐久・耐震性が大事な本当の理由とは?ツーバイフォーと在来軸組の工法比較」で解説していますが、構造上どうしても在来軸組の方が耐震性は弱くなってしまうのです。そのため、これから木造を建てる人は構造をツーバイフォーにすることで耐震性を高めることができます。

 

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